【from Editor】命の重さは…(産経新聞)

 「命の重さ」へのこだわりを感じた。平成22年の年明け早々、警視庁捜査1課は、一緒に合成麻薬MDMAを服用した女性が異変を起こしたのに適切な救命措置を怠り、死亡させたとして、保護責任者遺棄致死容疑で、元俳優の押尾学容疑者(31)を逮捕した。

 「なぜ娘は亡くなったのか。真相究明を期待したい」。その際、死亡した飲食店従業員、田中香織さん=当時(30)=の母、正子さん(53)が発した一言だ。

 21年は、芸能人らの薬物使用事件が目立った。押尾容疑者のMDMA使用事件もその一つ。使用については、懲役1年6月、執行猶予5年の判決が下された。芸能界に広がる「薬物汚染」。だが、今回の事件は、一緒に服用した女性が死んでしまったという点で大きく違っていた。

 薬物に手を出したという“落ち度”はあったにせよ、人の命が失われる結果を招いたのに、「使用」が裁かれるだけで終わってしまうことには、違和感や若干の不条理ともいえる感覚が残った。第三者でさえ、そう感じたのだから、家族が真相究明を強く求めるのも至極当たり前だ。

 判決後も警視庁が再三にわたり、押尾容疑者らから事情聴取を続けるなどの捜査を継続させたのは、こうした遺族感情も大いに反映されていたとみていいだろう。

 保護責任者遺棄致死罪。たとえば、自分が酒を勧めた相手が泥酔しているのに、救急車を速やかに呼ぶなどの措置をとらずに、その場を立ち去り、相手が死亡してしまった場合がこれに該当する。警視庁は今回の事件で「酒」にあたるMDMAを勧めたのが押尾容疑者だったとみて、譲渡容疑でまず逮捕。さらに、適切に救急隊を呼んでいれば、田中さんの一命は取り留められたとして、遺棄致死容疑で逮捕したのだった。

 「芸能人の薬物事犯」ととらえられがちな状況にはあったが、「命の重さ」を意識しながら警視庁担当の記者らは取材し報じた。起訴されれば、「命の重さ」は一般市民から選ばれた裁判員らを交えた法廷で裁かれることになる。

 紙面を眺めると、これもまた昨年、話題を集めた埼玉、鳥取両県警がそれぞれ捜査している「不審死」事件の記事が目立つようになってきた。詐欺容疑などで逮捕が繰り返されている女らと、その被害にあったとされる男性の不審死との関係に捜査は切り込むのか。「命の重さ」を改めて意識しながら報じていきたい。(副編集長 中村将)

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